会長意見書

公益社団法人日本青年会議所
関東地区 東京ブロック協議会
第48代会長 溝呂木 奈美   

「はじめに」

平成時代が終わり新たな時代の始まりとなる2019年、私たちはどんな未来を描いていくべきなのでしょうか。私たち青年会議所に求められていることはなんだろうか。青年経済人といわれる私たちは、未来に向けてどんな夢を描き、何をするべきなのか、私たちが掲げる崇高な理念「明るい豊かな社会」とはなにか。そんなことを自身に問いかけていた2011年、あの未曾有の大震災が発災しました。

当時、同期の委員長が宮城県塩釜市で被災したこともあり、あきる野青年会議所としては、市民に支援物資や義援金のお願いをし、塩釜に直接支援をしながら、日本JCを通し被災地支援を行っていました。翌年、日本JCに復興支援委員会が立ち上がり、私は副委員長として出向しました。そこで出会った東北の出向者は、自らが被災をしているにもかかわらず、愛する地域の復興の為にひたむきに積極的に行動していました。その彼らの説得力ある行動、姿を目にしたとき、私の中で大きな心の変化がありました。彼らは、自分たちの地域に愛と情熱をもって必ず復興させるという強い信念をもっていました。そしてJCだからできる支援、JAYCEEだからできることを強く発信しプライドをもって戦っていました。そんな仲間との出会いは私にとって必然的であり、私にJCプライドが芽生えた瞬間であります。

明るい豊かな社会の実現の為には、今を生きる私たちが、現実から目を背けずJCにプライドを持ち、説得力と積極性を兼ね備え、時代に沿って変革し行動しなければならないのです。私たちが誰よりも率先して社会の変化を捉え、愛と情熱をもって行動すれば、日本の未来は必ず明るくなるでしょう。そして、利他の精神を持ち、個々の違いを受け入れ、認め活かしていく、ダイバーシティ・マネジメントが社会の隅々まで行き渡り、誰もが人生を謳歌できる世の中が実現した時、私たちが掲げる「明るい豊かな社会」が訪れるのです。私たち一人ひとりが社会の主役となり誰もが希望をもって輝ける開かれた東京に進化していこうではありませんか。

「ダイバーシティ・マネジメントの意識を向上」

ダイバーシティ・マネジメントは、性別や年齢、身体状況、人種のような属性による違いだけでなく、価値観や、考え方など、目に見えない様々な違いを尊重して受け入れ、活かしていくことを視点としマネジメントしていく為の指標です。東京は様々なバックグランドを持つ人々が存在する都市であり、様々な個性の強みを活かした運動を発信していくべきリーディングブロックです。
多様性を活かし様々な人が活躍できるようダイバーシティ・マネジメントの意識を向上させていく必要があるのではないでしょうか。時代の変化を捉え、より柔軟なシステム、考え方で運動を発信し、多くの人が輝ける地域、多くの会員会議所会員が活躍できる組織にしてまいります。

また、世界にはSDGsという明確な17の目標が示されています。自社や社会を良くするためのSDGsの目標に対して、地域の企業や団体ができることを進めていく運動を作る必要があります。SDGsと関連した目標を定め、各地会員会議所とともに推進してまいります。

「地域活性化と防災減災の要となるインフラ再生」

首都東京のインフラは、2023年には約40%が50年以上経過し、大部分が耐用年数限界と、建設当初から比べ人口が増えたことによる膨大な建築物の管理が立ちいかなくなっています。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、都市部に関してはインフラ再生の計画も多くあるが、翻って西多摩地区などでは、2014年の大雪に際しては、生活道路が寸断され住民が孤立するなど深刻な事態も発生しています。今後起こるであろう様々な災害に際しても深刻な問題となることは明白です。青年会議所は地域に根差した団体ですから、行政だけでは見えない地域のインフラ問題を収集し、行政に提言として上げていく必要があります。そのために防災減災に関する知識を深め、より地域との連携強化をはかったうえで、「防災減災の要となるインフラ再生」を考えていく必要があるのではないでしょうか。

私たちが今ある問題をしっかりと捉え、未来にどのような変革を与えるべきなのかを考え、地域活性化に向けた運動に取り組んでまいります。

「説得力と積極性を兼ね備えた地域のリーダーを育むアカデミー」

青年会議所は会員に発展・成長の機会を提供していく団体です。
各地会員会議所も会員の成長の場ですが、そこで活動するだけでは得られない体験や知識もあります。特に、他の地域の会員と同じ体験をする機会はかけがえのない財産になります。

私自身、出向を通し他の地域の会員と運動をしたからこそ今の私があります。
青年会議所に入会して3年未満の会員へは青年会議所の理念や基礎知識、事業構築などを伝えると同時に、JAYCEEとして社会を変革する創造力と使命感を持ち、目の前にある現実から目を背けず説得力と積極性を兼ね備えた人材を育成してまいります。

「若者の主権者意識を醸成し政治参画意欲向上を図る」

私たちは自分たちのリーダーは自分たちで決められる投票権を持っています。この権利は私たちにとって当たり前の権利ではありますが、この権利を求めて闘っている若者も他国には大勢います。私たちの未来は私たちの投票行動によって変えられます。政治への参画意識は子どものころからの教育が一番大切ではないでしょうか。教育現場で政治を語ることはタブーとされ大人の社会においても今までは政治の話はあまり語られることはありませんでした。こうして、政治と距離を置いた結果、本来リーダーを自ら選ぶといった政治参画意識は低下し、有権者が政治に無関心という事態を招きました。

しかし、近年はSNSの発展により昔に比べ個人が政治信条を語れる場や、より多面的な考え方を知り得る環境が整いつつあります。また、若者の間においても自ら主権者意識の醸成に向け運動する団体も沢山でてきました。SNSでのアプローチや他団体と協働し、政策リテラシーを育むと同時に、主権者意識の醸成に向けた運動を加速してまいります。

「会員拡大」

時代の変化を捉えて社会を変えるのに最も必要なのは、それを成し得る人材です。青年会議所は、20歳から40歳という年齢制限があり単年度制を取っていますが、これは組織を若く保つと同時に多くの青年に成長の機会を与えるためでもあります。なにより私自身がこの組織で得た経験や学びは、他の組織では得られないものだと確信しています。これほど社会に目を向け社会性と人間力を養える組織が他にあるでしょうか。青年会議所には、それほど人生の大切な時間を費やす価値があるのです。

同じ志をもつ人材が多ければ多いほど、社会にインパクトを与え時代に必要とされる組織へとなるのです。本年度も会員の成長を促し、組織を活性化させていくためにも会員拡大の成功事例を紹介するだけではなく、各地会員会議所へ寄り添った支援を行い会員拡大運動へ繋げてまいります。

「地域愛を育み未来への希望を描き地域経済を活性化する」

 近年は、会員向けの会員大会の役目は終え、公益社団法人への移行を機に地域市民に開かれたブロック大会へと進化を遂げました。この多くの一般市民が来場する大会は東京ブロック最大の運動発信の場となりました。多くの来場者が見込める機会を利用し、我々の運動を最大限に発信するためには、主催益、主管益、地域益、参加者益を始め全ての益を創出する事業構築が重要です。

東京ブロックが新しい形の地域に根差した運動発信、新たなブランディングを行い、地域経済を活性化する有益な大会にしなければなりません。
全ての益が溢れる運営を目指しより多くの世代に共感される大会レガシーを伝えてまいります。

「戦略的なブランディングの創造」

青年会議所は明るい豊かな社会の実現に向けて、問題解決や様々な運動を続けてまいりましたが、まだまだ認知度は低く、効率的に運動を発信できていないのが現状です。SNSやブログなど発信できるツールは揃ってはいますが、戦略的に使いこなせてはおらず、もっと広く社会に発信する必要があります。

我々の運動を多くの人に発信するには、これまでの広報戦略を検証し、より効果的な広報とブランディング計画を立案して行くべきです。そのために、各委員会に広報担当を配置し広報委員会と連携しタイムリーに運動を発信することに努めてまいります。また、各地会員会議所でも活用していけるような新たなブランディングを構築してまいります。

「多様性が調和した 愛と情熱に満ち溢れた希望ある社会の創造に向けて」

青年会議所はもっともっと積極的に経済にインパクトを与える運動を作っていける団体です。一人の力は小さいかもしれません。しかし志を同じくもつ多くの力があれば成し遂げられないものはないと思います。私は誰よりもこの組織に誇りを持ち、プライドをかけ青年会議所運動に取り組んできました。ぜひ会員の皆もこの尊い運動をしている自身にプライドを持ってほしいと思います。皆が志を立て行動すれば必ず地域は変わります。ワクワクするような未来を描き、私も皆と共に覚悟を持ちプライドをかけ全力で取り組んでまいります。たくましくしなやかに共にこの東京から日本を変える運動を展開してまいりましょう。

いつの時代もプライドをもって挑めばその先に愛と情熱に満ち溢れた希望ある社会があると信じて。